育児中精神科医のブログ

発達障害の親御さん向けのtipsやワーママライフハック、海外留学について書いていきます。

研究留学 行き先選び

今日は社会人になってからの留学について、私が考えるポイントを書いてみたいと思います。

私は勤務医として働いて、大学院を卒業した後に、研究目的で1年間ヨーロッパに留学した経験があります。

その経験から私なりに、医師が研究留学する際に留学先を選ぶポイントとして感じたことをが3つあります。

 

1.留学の目的は何かによって行き先は変わる

 

 そんなの研究じゃないか、何言ってるんだという声が聞こえてきそうです。

もちろん研究で成果を出し、研究者同士のコネクションを作って帰ってくるっていうことが第一目的なのは言うまでもありません。

しかし、その後のキャリアが、海外で研究者もしくは現地で医師免許を取って医師として働いていくのか、それとも任期付きで日本に戻ってきてポストが約束されているのかによっても変わると思います。

任期付きで行かれる先生の場合、海外の研究室で新たにキャリアを作るというよりも、十分な時間をもらって家族との時間を楽しんだり、日本のデータをまとめたりすることが主な目的という場合ならば、家族の過ごしやすさや治安を優先するというのはありだと思います。

 

2.単身でいくのか家族を連れて行くのか

 

家族連れの場合は現地での日本人コミュニティーがある程度確立しているかが重要だと思います。

実際、留学した本人のご主人は元気で生き生きしているけれども、奥様はなれない環境で知り合いもおらず、大変だったという話も聞きます。

逆に、海外旅行が好きな奥様の場合など、奥様の方がご主人以上に楽しんで帰ってきたという声もよく聞きます。

企業に雇用されている海外駐在員と違い、医師の研究留学の場合は、VISA取得から住居まで基本的に一人で道を切り開くことが必要になります。(留学先に親切な人がいればラッキーだが、あてにはできない)

 

3.研究室は外国人を受け入れる気がどの程度あるか

 

 長年共同研究を行って来たり、自分の事を既に評価してくれているボスがいるところならば心配ないと思います。

ボス同士のつながりがあり推薦でいったものの、実際研究室を運営しているプチボスは歓迎してくれない(どこの馬の骨ともわからない外国人は厄介者、もしくはお客様あつかいで何も触らせてもらえない)ということも、力不足で悔しいのですが、ありました。

もちろん逆の立場で考えると、言葉が不自由な外国人は、卓越したスキルがない限り面倒を見る筋合いはないというのはもっともなことだと思います。

この辺りはヨーロッパとアメリカとの違いもあると思います。またヨーロッパの中でも、インターナショナルな組織なのかそれともドメスティックな組織なのかというのも見ておかないといけないポイントだと思います。



私の場合、結局単身で1年間研究留学することになったのですが、その経緯はまた次にかいてみたいと思います。