育児中精神科医のブログ

発達障害の親御さん向けのtipsやワーママライフハック、海外留学について書いていきます。

発達障害、療育について

発達障害の疑いを持つお子さんを持つ親にとって一番気になるのが,診断がついた後,もしくは疑いの時点でどのような治療が受けられるのかということだと思います。

正確には、治療と言うと悪いところを直すようなイメージがありますが、発達障害の場合は別段悪いところがあるわけではなく、その子の特性に合わせた対応の仕方を学び、それぞれの発達に合わせてサポートしていくことが主になるので、厳密には治療という言葉はふさわしくないかもしれません。

 

治療にはお薬を使う投薬治療と、療育があります。

まず通常、未就学児など小さなお子さんの場合では即座に投薬治療に進むことは珍しいと思うので、療育について説明したいと思います。

 

最近では療育という言葉自体が一般的になってきましたね。

名前だけは知っているけれど中身はよくわからない親御さんも多いのではないでしょうか。

 

その前に親御さんが混乱する原因の一つである、医療の枠で行う療育と、児童福祉の枠で行う療育の2種類があることを説明します。

 医療機関で診断がついた後に、療育を受けるために役所に行く必要があったりと、このあたりからややこしくて心が折れそうになる親御さんもいらっしゃると思います。事前に概要を知っておくと、少し心強いですよね。

 

医療機関で行う療育

保険証を使って行う医療の枠が多いです。

通常の児童精神科や療育センターで行なっている週1回程度の集団療育、個別療育などがこれにあたります。

基本的には医師の指示の下で行うという考え方です。

 

・民間の療育

こちらは児童福祉の枠で、利用者は各自治体で受給者証を申請し、一部負担金を払って利用します。

受給者証の発行には、自治体によっては診断がつかなくても受けられるところもありますが、多くは医師の診断書か、療育手帳もしくは精神保健福祉手帳が必要です。

(こちらの申請の仕方についても機会があれば書いておきます)

一部負担金は1割負担なのですが保育園幼稚園の無償化に伴って3歳の4月から5歳になる4月までは無料です。

内容については医師の指示は必要なく、行政機関で受給者証を発行してもらい、それを持って直接療育施設と個別に契約します。

 

療育自体の内容は医療の枠、福祉の枠で差があることはほとんどありません。

それよりも、個々の事業所や医療機関によって差があるのが現状です。

各療育機関で行なっている内容も様々なので良心的で頼りになるところを見つける必要があります。特色があったり、評判が良いところはどこも混み合っていてキャンセル待ちで行く順番が回ってくるかわからないというところも多いです。

基本的にはどの事業所と契約してもかかる費用は同じです。

細かく言うと1割負担になる金額の設定はどこもおなじですが個別に実費部屋施設費などの名目で負担金を請求するところもあります。

契約する事業所の個数に制限はないので複数の事業所と契約して複数の療育にいっているお子さんも多いです。


療育センターのような公的な機関の場合は収支、つまりお金がどれくらい入ってくるかを民間ほど気にせずに行えるので、良心的な介入が行いやすい反面で、どれだけ頑張っても自分たちの給料に変化があるわけではないので、質にばらつきがある療育者にあたってしまうこともあります。民間でももちろんそうですが。

ちなみに、療育を行う人には特段看護師や医師などの資格が求められないので、心理師や保育士が行う場合もあれば作業療法士、なかには特段の資格がない人が行う場合もあります。

 

どのようなところを選べばハズレが少ないかまたは当たる可能性が高くなるかということについてはまた後日書いてみたいと思います。

実際おすすめはどこ?というのがママ友から一番よく聞かれます。